「働き方改革」実現のためのアップデートとは

何かを変えたり始めたりするとき、すぐに制度を作ろうとするケースがよく見られますが、社会生活のなかでいろんなことが多様化している時代に、みんなにとって最適な制度がすぐにできるはずがありません。さらには、その設計が正しいかどうか検証もできていないのに、一度制度ができてしまったばかりに、それを走らせ続けてしまうということが起きる可能性もあります。

そのため、たとえば副業をやりたいという従業員がいたならば、まずその人だけに試してみればいいと思います。制度を作るべきかどうか悩むよりも、まずは1人に許可を出すことで分かることは非常に多いものです。もしその結果が良さそうであれば、対象を徐々に増やしていくことで次がどんどん見えてきます。

副業を禁止している会社のほとんどは「副業に夢中になるよりも、本職で自己実現してほしい。」という理由を挙げます。しかし、もし従業員が副業に夢中になってしまうのだとしたら、それは残念ながら本業の仕事に魅力がないということかも知れません。それは、上司は自分のチームの仕事に価値を作る努力をし続けるべきでもあるということにもなります。そして従業員は、自分の意思でキャリアプランを組み行動することです。日本では辞令をもらって任命されたことをやるのがまだ当たり前ですが、グローバル企業が取り入れているような、個人の意思によって作られたキャリアプランのほうが、適度な緊張感のあるいい関係性を保てるのではないかと思います。 それは、自由と責任がそこにあるからです。

しかし、1社にずっと勤めて、辞令に忠実に言われたことをずっとやっていくというのも、本人にそれが合っていればいい選択肢だとも思います。それは、「選択しない」という選択肢もあるということです。仕事を複数やることで自己実現できる人もいれば、一つのことに集中したい人もいます。そのため、制度としては個別に最適であるべきだと思っています。日本企業は平等性を重視して、つい全員を対象にしようとしてしまいがちですが、小さく試して大きくしていくやり方が必要だと思います。

具体的には、制度を設計する人がまず実践するというのも理にかなっています。これからはそれが普通になっていくような気がします。大切なのは、画一的な解決方法はなく、個別に最適な手段を選ぶことです。さらに働き方全体においての問題点は、やらないことを決めないまま「今までやってきたことを短時間でやって生産性を上げよう」といった無茶なことになってしまっている部分にもあります。勤務時間と残業代が減らされて、その上で間に合わなければ評価が下がるのであれば、誰がそれをやりたがるのでしょうか。

その問題を解決するには、なぜその作業やミーティングが必要だったのかを全部見直して、やらないことを決めるしかありません。「前任者がやっていたから」とか「他の部署がやっているから」といった思考停止はやめて、自分たちが何をやろうとしているのか、何をやることによって必要とされるのかを考えていくべきだと思います。それを突き詰めていけば「他社がやっているからうちも」というような発想はなくなるように思います。