相続・遺言書
1.相続手続き
2.相続放棄
3.生前贈与
4.遺言書作成
5.自筆証書遺言
6.公正証書遺言
相続手続き
相続手続きは、相続が開始してから、相続財産の権利が実際に確定し、遺産の名義をしかるべき相続人に変更するまでに必要となる一連の手続きのことをいいます。手続きにおいては、進めるべき順序があり、遺言書のある場合とない場合とでも、その手続きは異なってきます。基本的な相続手続きの流れとしては、下記の4つを順に進めていくこととなります(名義変更及び相続放棄は司法書士が行います)。
①相続人の確認と戸籍収集
相続が発生したら、戸籍謄本や相続関係説明図などにより法務局や金融機関などに相続人の証明をしなければなりません。
法定相続人の確認が必要なためそのためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得し調査します。
②相続財産の確認
不動産(土地、建物など)や、金融資産(預貯金、株など)などのプラスの財産や住宅ローンやその他の借入金などのマイナスの財産まで対象になります。
これらの財産調査の結果は、財産目録として作成し、遺産分割協議を行うための資料となります。
③遺産分割協議
遺言書がない場合、民法では法定相続人と被相続人の財産の相続割合が決められていますが、どの財産を誰が相続するのか相続人全員の協議により決定することができます。
遺産分割協議は、法定相続分と異なる遺産相続を実現するためには不可欠です。
相続財産の確定後、遺産分割協議書を作成して相続人全員の署名、実印を押印し、印鑑証明書を添付します。
④名義変更
相続財産に登記された土地·建物がある場合は、不動産の名義変更の登記(相続登記)が必要です。
(令和6年4月より申請が義務化)
集めた戸籍や遺産分割協議書などの書類とともに司法書士が法務局に申請します。(登録免許税が必要)
金融資産においても、速やかに必要書類をに提出し、解約、払戻し、名義変更をする必要があります。
相続放棄
相続は故人が亡くなることによって開始しますが、プラスの財産より、マイナスの財産が多い場合などは、相続放棄(相続を希望しない手続き)をすることが可能です。放棄することによって、マイナスの財産も引き継ぐことがなくなります。
相続放棄は、自身に相続があることを知ってから3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続きを行わなければなりません。
生前贈与
生前贈与とは、生きている間に自身の財産を配偶者や子、孫などに贈与することです。将来の相続対策として非常に有効な方法の1つです。
自分が生きているうちに自身の財産を贈与することで、相続時のトラブルを回避することや、自己の意思を生前に反映させることができます。
遺言書作成
遺言書とは自分の死後の財産の分け方を書面に記して残しておくものです。
大きく分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。作成することにより、遺産相続がスムーズに進み、相続人同士でのトラブルも生じにくくなります。
遺言書によって、法定相続人以外の人に財産を渡したり、寄付をしたりすることも可能です。
遺言書作成の必要性が高い人
- 多くの遺産がある
- 夫婦の間に子どもがいない
- 相続人が多い
- 所在不明の法定相続人がいる
- 法定相続人以外の方に財産を残したい
- 寄付をしたい
- 相続人間でもめごとが起きる可能性がある
- 財産の分配を自分で決めたい
自筆証書遺言
遺言者本人が遺言書全文、日付、氏名を自署および押印して作成する遺言書です。
メリット
- 手軽に作成できる
- 費用がかからない
- 法務局で預かってもらう場合、検認不要
デメリット
- 要式不備により無効になりやすい
- 紛失してしまう可能性がある
- 発見されない可能性がある
- 破棄、書き換えられる恐れがある
- 検認が必要
公正証書遺言
遺言者が公証役場に出向き、証人2人(利害関係のない第3者)の立会いのもと、遺言の内容を口述し、公証人が作成します。
メリット
- 無効になりにくい
- トラブルになりにくい
- 公証役場で原本を保管するため、紛失・隠蔽のリスクがない
- 発見されやすい
- 検認不要
デメリット
- 費用がかかる
- 作成に時間を要する
- 証人に内容を知られてしまう
公正証書は公的書面のため、内容も公的に保証されていることが大きな利点です。法的に間違いのない形での遺言書作成は、相続争いを防止するという観点からもおすすめいたします。当事務所では、ご意向にそった原案の作成、証人としての立会い、公証人と調整など一連の手続をサポートいたします。