1年変形制の休日振替の考え方

 1年変形制の休日振替について、考え方を順にまとめ記載しました。

 1年変形制においては、労働日および労働日ごとの労働時間を定める必要があります(労基法32条の4第1項4号)。また、対象期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えないように、労働日と労働時間を設定しなければいけません。なお、1日および1週間の労働時間などにも限度が設けられているため、事前に確認を要します。

 一方、労働時間の定め方は、①対象期間中すべてについて定める方法②対象期間を1か月以上の期間ごとに区分して、各期間が始まるまでに、その期間における労働日および労働時間を定める方法の2種類があります。②については、対象期間が始まるまでに、労使協定において具体的に定める必要があります。

資料 https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/library/tokyo-roudoukyoku/jikanka/1nen.pdf

そこで、労働日や労働時間の特定が重要となります。年間の総労働時間を変えずに、期間ごとの総労働時間を入れ替えることができるかというと、労使の合意があっても認められないというのが行政の解釈となります(昭63.3.14基発150号、兵6.3.31基発181号)。休日の振替も労働時間の枠を維持したまま、休日と労働日を入れ替えるイメージです。

 1年単位の変形労働時間制については、労基則12条の4第5項で、「連続して労働させる日数の限度は6日、ただし、特定機関として定められた期間における連続して労働させる日数の限度は1週間に1日の休日が確保できる日数とする」と定められています。

 これらを考慮した上で、1年単位の変形労働時間制の趣旨を損なわない範囲内で、休日の振替を認める解釈例規があります(平11.3.31基発168号)。休日振替の要件としては、就業規則を設け、あらかじめ振り替えるべき日を特定して振り替えることが必要となります。さらに、対象期間(特定期間を除く)においては連続労働日数が6日以内、特定期間においては1週間に1日の休日が確保できる範囲内という要件を満たす必要があります。

それらを検討して、考え方の参考にしてください。